このシリーズで解く3つの誤解
誤解③報告が上がっていれば、管理できているこのページ

資金繰り管理をきちんとやろうとしている社長ほど、この「誤解」に引っかかります。経営歴の長さや会社の規模に関係なく、繰り返し起きています。

誤解③
報告が上がっていれば、管理できている

「毎月担当者から資金繰り表をもらっている」——それで管理できていると思っていませんか。報告が上がることと、管理が機能することは、まったく別の話です。

報告と管理のあいだにある「問い」

管理とは、数字を見ること(報告)ではなく、数字を根拠に動くこと(判断と実行)です。そのあいだには、社長が担当者に問い続けることが必要です。

社長が担当者に問い続けるべきこと 「前回の予測と今回はどう違うか。
それはなぜか。
では今後どうなるのか」

——これを問い続けることが、社長にしかできない、資金繰り管理の核心です。

担当者は「聞かれなければ楽」——これが危険

私が実際に見てきた経験から言えば、破綻した会社の9割以上で、この分析のルーチンがありませんでした。担当者のミスは表に出ず、問題は積み上がり、緊迫したときに初めて大混乱が起きる。

担当者として働いていた頃の私自身の正直な懺悔でもあります——「分析を聞かれないと、楽でした。」予測の間違いがうやむやにできるからです。でも、その楽さがいつか大事故につながります。

問う習慣が担当者を育て、表を育てる

毎月の問答を繰り返すことで、担当者は「聞かれる前に考える」ようになります。予測の精度が上がり、資金繰り表が会社の実態を映すようになっていく。報告を受け取るだけでは、この育ちは起きません。

「何が違う→なぜ→これからどうなる→どうするか」を繰り返すこと。
この地道な問答こそが、担当者を育て、社長の判断を支える資金繰り表を育てます。

社長が問えない理由と、その解決

「何を問えばいいか分からない」「担当者の説明が分からず、うなずくだけになっている」——そういう状態も少なくありません。そこには社長の問題ではなく、資金繰り表の見せ方と、伝え方の設計の問題があります。

社長が動ける状態とは、表が見やすいだけでなく、「なぜそうなっているか」を担当者が言語化できる状態です。その状態を作ることが、外部から関わる私の仕事です。

3つの誤解に気づいたとき、選択肢は2つです

数字をプロに引き取ってもらう。あるいは、担当者を育てる伴走を頼む。どちらが御社に合うかは状況によって違います。ただ確かなのは——

数字が見えると、人は動けます。話せます。一人じゃなくなります。

合同会社Properly 代表 佐藤 崇

大手税理士事務所に10年勤務後、東証一部上場の投資会社で事業再生の財務担当者として中小企業に内側から入りました。「もっと早く動いていたら、救えた」という場面を繰り返し見てきた経験が、この仕事の原点です。

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